6日目

今日は、ビンさんから主にホーチミンの若者の"働く"についてお話を伺った。伺う前、目を通した現地訪問先情報のプロフィールには、"ハノイ生まれ、ホーチミン育ち、高校卒業後はオーストラリアの大学に留学" とあった。印象深かったこの部分だけ切り取ると、割とエリートの方なのかな、という勝手なイメージを持っていた。

 

しかし、話を聞いていると、生きることに対して、とても行動的に様々な挑戦をしてきた人物のように感じられた。父親の会社を継ぐという選択をせず、自身の会社を立ち上げるという選択をすることは、ベトナムにおいては非常に勇気のいる決断だったのではないかと思う。

 

そんなビンさんの話の中で、僕のテーマにも関連があると感じた内容とそれに対する疑問をまとめると…

 

・大学を選ぶ前から、どんな仕事をするかを決めている人が多い

             ⬇︎疑問

大学に入ってから、経験を積む中でどんな仕事をするか考える、というのはないのか?

 

・自分は何が好きで、何が得意で、何に向いているかを大学入学前から知っている必要がある。しかし、18歳の段階でそれを把握するのは難しい。

 

・どんな学校に行き、どんな仕事に就くか、は両親の意向が強い。自分で考えるより、親に従う方が楽だから、若者はその意向に従う傾向がある。

 

・家が何かを営んでいたら、それを継ぐのが自然

    ⬇︎疑問

自分の意思は関係ないのか?本当にそれがやりたいことなのか?

 

・18歳の若者が、大学を選ぶ、またはどんな進路に進むか、を考えることは、彼らにとってとても難しいこと。

⬇︎疑問

それは日本も同じだが、だからと言って親に任せっきりでいいのか?親以外に相談できる人はいないのか?

 

・大学生活では、とにかく勉強をやっている。(勉強だけをやっている

⬇︎疑問

勉強以外のことをする時間がないのか?それともすることがないのか?

 

ベトナムの大学にはサークルがない

 

・入った学部と関連付けて仕事を選ばないと、という考えが働く傾向にある。

 

あくまで、これらの話は"傾向"なので、全員がそうだとは言えないが、僕も彼らに話を聞く中で、こういった印象は感じていた。

 

また、ビンさんに、なぜキャリアデザイン学部に入ったのか理由を聞かれ、僕が大学に入った経緯(編入のことや当時の親との関係性)を話した。キャリアデザインの勉強は好きだと言うと、それはとても良いことだ。好きなことを勉強できているのは幸せなことだよ。と言ってくれた。

ベトナムの学生は、本当に自分の好きなことをやれているのだろうか?

 

話は変わって、調査の仕方について。

これまでの調査では、僕はとにかく多くの人たちにインタビューを行ってきた。しかし、これが単調な作業に感じてきた。せっかく現地に来ているのに、掘り下げた話ができていない。インタビューこそ行ってはいたが、ただ、多くの人と交流をしているだけだったと思う。

 

ので、今日からは今まで話を聞いてきた人の中から少人数にサンプルを絞り、より深く掘り下げた話をする、という調査を行うことに決めた。そのためにやるべきことをついて今一度よく考え、動いていきたいと思う。